マドレーヌの名前の由来や歴史とは?貝殻の形をしている理由・フィナンシェとの違いも紹介
「マドレーヌ」といえば、焼き菓子の中でも人気のお菓子ですよね。
コンビニやスーパーでもよく見かける、身近な洋菓子のひとつです。
そんなマドレーヌですが、どうして「マドレーヌ」という名前なのでしょうか。また、なぜ貝殻の形をしているのかも気になるところです。
このページでは、そんなマドレーヌの由来や歴史についてまとめてみました。
マドレーヌの名前の由来や語源について
マドレーヌは、バター・小麦粉・卵・砂糖・ベーキングパウダーなどを使って焼き上げたお菓子。貝殻の形に焼き上げられることが多いです。
そんなマドレーヌは、フランス発祥のお菓子として知られています。
名前の由来には諸説ありますが、1755年にマドレーヌ・ポルミエロレーヌという女性が作ったお菓子だから「マドレーヌ」という名前がつけられたとされていますよ。
ほかにも、以下のような説があります。
- 1661年にポール・ドゥ・グロンディの料理人マドレーヌ・シモナンが作った
- サンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼のため、マドレーヌという女性がホタテガイをかたどって作った
いずれにしても、「マドレーヌを初めて作った女性の名前が由来になっている」という点が共通しています。
マドレーヌのはじまりと歴史
マドレーヌが誕生したのは、1755年のこと。
フランス東部のロレーヌという公国を治めていたスタニスラス王が、コメルシーという町で宴を開きました。
しかし、料理長とパティシエがケンカをして出ていってしまいます。
最後のデザートがなくて困っていたところ、召使いのマドレーヌがホタテの貝殻を使ってお菓子を焼き上げ、みんなに振る舞いました。
このときに振る舞われたお菓子が、マドレーヌのはじまりといわれています。
ちなみに、日本にマドレーヌが伝わったのは江戸時代から明治時代にかけて。
横浜の居留地にあった洋菓子店から風月堂の職人がお菓子づくりを学ぶ際、マドレーヌが伝わったとされています。
今や、国内初のマドレーヌ専門店「マドレーヌラパン」ができるほど、日本でも親しまれているお菓子ですね。
マドレーヌが貝殻の形をしている理由
マドレーヌといえば、貝殻のような形をしているのが特徴です。
かつて、スペインへの巡礼者たちには、貝殻を携帯用の食器として持ち歩く習慣がありました。
当時のマドレーヌも貝殻に入れて持ち運ばれ、各地に伝わったとされています。
そのため、今でもマドレーヌは貝殻の形をかたどったものが多くなっていますよ。
日本では菊型のマドレーヌもある
貝殻の形ではなく、平たい形をしたマドレーヌもありますよね。
円形の菊型で焼いたマドレーヌは、日本独自のものです。
日本にマドレーヌが伝わった当初は型がなかったため、和菓子の木型をもとに作った菊型に生地を流して焼いていました。
苦肉の策で、日本ならではの菊型のマドレーヌが生まれたというわけですね。
現在も、お店によっては菊型のマドレーヌを販売しています。
マドレーヌとフィナンシェの違い
マドレーヌと似たお菓子に「フィナンシェ」があります。
よく似ている2つのお菓子ですが、一番の違いは見た目と作り方。
マドレーヌは貝殻または菊型をしているのに対し、フィナンシェは金塊の形をしています。
そして、マドレーヌは全卵を使いますが、フィナンシェは卵白のみを使用することがほとんど。
仕上がりもマドレーヌがふんわりしているのに対し、フィナンシェは香ばしい食感になります。
マドレーヌには溶かしバター、フィナンシェには焦がしバターを使うこことが、食感の違いにつながっていそうですね。
マドレーヌとフィナンシェはよくセットで販売されていることも多いので、雑学を思い出しながら食べ比べてみるのも楽しいですよ。
さいごに
マドレーヌの由来や歴史について紹介してきました。
お店によってマドレーヌの形や味が違うので、いろいろなマドレーヌを食べてみたくなりますね!
おみやでは各地で買えるマドレーヌを紹介していますよ。
贈り物やお取り寄せをするときは、ぜひ参考にしてみてください。
参考:マドレーヌのおみやげ一覧
【参考文献】
ニナ・バルビエ/エマニュエル・ペレ著 北代美和子訳『名前が語るお菓子の歴史』(白水社)1999年