きんつばの名前の由来や歴史とは?縁起がいいと言われる理由も紹介
和菓子の定番として親しまれている、きんつば。
「きんつば」ってなんだか不思議な響きですが、どうしてそう呼ぶのかよくわからない部分もあると思います。
また、いつ誕生したお菓子なのかも気になるところ。
このページでは、そんなきんつばの由来や歴史について紹介していきますね。
きんつばの名前の由来や語源・縁起がいいと言われる理由は?
きんつばは、漢字で「金鍔」と書きます。
江戸時代に京都で生まれたきんつばは丸い形で、刀の鍔(つば)にそっくりであることから「銀鍔(ぎんつば)」と呼ばれていました。
そんな銀鍔が京都から江戸へと伝わり、いつしか「きんつば」と呼ばれるようになったとされています。
「金のほうが縁起がいいから」「京都では銀貨幣だったが、江戸では金貨幣が主流だったから」など、呼び方が変化した理由には諸説ありますよ。
確かに、よく見てみると丸いきんつばは刀の鍔にそっくりですね。
名前も縁起がいいので、お祝いごとのお菓子としても用いられます。
きんつばのはじまりは?
きんつばができたのは江戸時代のこと。
京都で生まれた「ぎんつば」が発祥といわれています。
ぎんつばは、あんこを上新粉の生地で包んで焼いたお菓子。刀の鍔にそっくりな丸い形をしていました。
その後、京都から江戸へと伝わり、あんこを小麦粉の生地で包んで焼いたお菓子になります。
名前もぎんつばから、きんつばへと変化しました。
江戸では、吉原や日本橋にきんつばの屋台が出ていたとか。
代表的な江戸菓子として、当時から愛されてきたようです。
四角い「角きんつば」が主流です
昔はきんつばといえば丸い形でしたが、今は四角いきんつばが主流です。
四角いきんつばは「角きんつば」と呼ばれ、いろいろなお店で作られています。
角きんつばが生まれたのは、明治時代のこと。
神戸元町・紅花堂の初代であり、本高砂屋の創業者である杉田太吉さんが江戸きんつばを改良し、角きんつばが生まれました。
▼元祖・角きんつばの「高砂きんつば」。今でも職人さんがひとつひとつ手焼きで作っています。
四角いきんつばのメリットは以下の通り。
- 量産しやすい
- 持ち運びの箱に入れやすい
お店で見かけるきんつばが四角いものばかりなのも、納得の理由ですね。
ただ、今でも変わらず丸いきんつばを作り続けているお店もありますよ。
昔は丸いきんつばが主流だったのに、今では逆に珍しい形に見えるなんて不思議な話です。
さいごに
きんつばの由来や歴史について紹介してきました。
ルーツを知ると、きんつばがより身近な存在に感じられますね。
お土産としてきんつばを渡すときに、名前の由来や歴史について軽く触れてみるのもいいかもしれません。
おみやでは全国のきんつばを紹介しているので、お気に入りの一品を見つけやすいですよ。
お土産を選ぶときの参考にしてみてくださいね。
参考:きんつばのおみやげ一覧
【参考文献】
清水圭一『たべもの語源辞典』(東京堂出版) 2012年